OpenAI、ChatGPTが週60万件の医療相談を処理——7割は診療時間外の利用
OpenAIは米国の「病院砂漠」と呼ばれる医療過疎地域からChatGPTへ週60万件の健康相談が届いていることを明らかにした。全米では週2億3000万人が医療関連の質問をしており、7割は診療時間外の利用だという。
OpenAIのビジネス財務責任者チェンペン・モウは、最寄りの病院まで30分以上かかる「病院砂漠」と呼ばれる米国の医療過疎地域から、ChatGPTに週60万件の健康相談が届いていると明らかにした。このデータは、AIが医療アクセスの格差を埋める現実の役割を担いつつあることを示している。
医療アクセス格差を映す数字
OpenAIが公開した使用統計によると、米国ユーザーからChatGPTへの医療保険に関する質問だけで週200万件に達する。全世界では週2億3000万人が医療関連の質問をAIに投げかけており、そのうち70%は通常の診療時間外——夜間・早朝・週末——に発生している。
病院砂漠からの60万件という数字は、物理的な医療へのアクセスが難しい状況でAIが事実上の一次相談窓口として機能していることを示す。地域の医療提供者をまたいで情報を整理するためにChatGPTを活用する家族の利用例も報告されている。
OpenAIの医療戦略
OpenAIはすでにChatGPT内に専用の健康セクションを設置しており、米国の主要病院システムへのChatGPT統合を積極的に進めている。単なるコンシューマー向けツールとしての位置づけを超え、医療機関との直接連携を目指す方向性が明確になっている。
こうした取り組みの背景には、米国の医師不足や医療費の高騰という構造的問題がある。ChatGPTの利用データは、こうした問題が現実のユーザー行動に反映されたものといえる。
課題と展望
医療情報をAIに求める傾向が高まる一方、正確性や責任の所在に関する問題は依然解決されていない。OpenAIはこうした使用実態を根拠に医療機関や政策立案者に対してAI活用を訴えているが、診断や治療判断への関与という次のステップには規制上の課題も伴う。
医療アクセスの格差をAIが補完する現実が数字で示されたことで、政策レベルでのAI医療活用の議論が加速するとみられる。